映画を字幕なしで観る「多観」は本当に効果があるの?

「とにかく英語の映画をたくさん観れば、いつか字幕なしで理解できるようになる」

こうした”多観(たかん)”は、英語学習者の間でよく語られる方法です。では、本当に、たくさん観るだけでリスニング力は伸びるのでしょうか?

結論はシンプルです。

「多観」は、条件付きで効果があります。

しかし、その“条件”が抜けるとほとんど効果は出ません。

なぜ「観るだけ」では伸びないのか

映画の英語は、想像以上に難しいものです。

  • 音がつながる(リエゾン)
  • 弱く発音される
  • 省略される
  • スピードが速い
  • スラングや口語表現が多い

つまり、「知らない音の連続」を浴びている状態です。

この状態で何本観ても、「聞こえないものは、ずっと聞こえない」ままになります。つまり、リスニング効果はほとんどないと言わざるを得ないのです。

「多観」が効果を発揮する条件

では、どうすれば「多観」は意味を持つのでしょうか。

ポイントは1つです。
“処理できる素材”を繰り返すこと

具体的には以下の流れです。

① スクリプト(字幕)ありで内容理解
② 音声と文字を一致させる
③ 自分で発音できるまで確認(ここが重要)
④ その上で繰り返し観る(=多観)

このプロセスを踏むと、
→ 音が「知っている音」になる
→ 脳が処理できるようになる

その結果、はじめて「多観」が効いてきます。

なぜ「発音」がカギになるのか

当教室でも繰り返し伝えていることですが、自分で発音できない音は、聞き取ることができません。

例えば、

  • “What are you doing?” →「ワラユドゥイン」
  • “Did you” →「ディジュ」
  • “But I was supposed to” →「バライワズサポサタ」

といった具合です。

こうした変化は、知識としてではなく、自分の口で再現できて初めて聞こえるようになります。

効果の出る「多観」と出ない「多観」

効果の出る「多観」と出ない「多観」の違いを整理するとこうなります。

× 効果が出にくい多観

  • 字幕なしでとにかく流す
  • 理解できないまま次へ進む
  • 1回観て終わり

○ 効果が出る多観

  • 同じ素材を繰り返す
  • 音と意味を一致させている
  • 発音まで確認している

まとめ

「映画をたくさん観れば英語ができるようになる」というのは、これは半分正しく、半分間違いです。

正しくは、
“理解できる状態にした素材”をたくさん観ると効果がある
ということです。

多観は仕上げのトレーニングであって、基礎を飛ばすショートカットではありません。

もし「映画を観ているのに伸びない」と感じている方は、観る量ではなく、“観る前の処理”を見直してみてください。

それだけで、リスニングの伸び方は大きく変わります!

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