文科省発表 英語スピーキングに学生の”粘り強さ”関係ある?

令和の学生の英語力

先日文部科学省により、小6と中3生に全国学力テストが実施されました。
これに伴い、初めて実施された英語テストの、中3生の問題正解率が発表されています。

聞く 68.3%
読む 56.2%
書く 46.4%
話す 30.8%

文科省のサイトに掲載されている問題内容によると、「聞く」のテストはイラストつきの選択問題が多いですが、とても正解率が高いです。その他の問題も、基礎問題と応用問題の組み合わせで構成されており、基礎的な選択問題ができれば「読む」「書く」「話す」についても、正解することは可能です。

ちなみに、平成29年度に中3と高3生へ実施した英語テストは、CEFR(世界標準レベルの判定方法)によって英語の四技能が測定されました。測定結果は、レベルが低い順からA1、A2、B1、B2、C1、C2となっています。

これによると、

●中3
書く A1…99.95%
話す A1…100%

●高3
書く A1…80.4%
話す A1…87.1%

A1は英検3〜5級程度。「具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。(Cambridge Accessment Englishのサイトより)」となっています。

この説明を読むと「へぇ、意外と学生って英語しゃべれるんだ!」と思いますが、同じしゃべるでも誘導により「はい」か「いいえ」で答える程度で、具体的な意見をを言ったり書いたりできるレベルではないと予測します。

また、文科省のサイトによると、平成29年度のテストで高3生のゼロ点は20%弱います。同じA1でも限りなくゼロ点に近いA1もいると考えると、A1の全員がこの説明通りの英語力があるとは考えづらいものです。

平成29年度のテストでは、中学生のゼロ点は10%以下で、20%弱いた高校生のゼロ点よりかなり少ないです。今回の学力テストでも、中3生の「話す」無回答は少なかったとのこと。文科省によると、中3生は「英語の即興力に課題はある」が、「自分の考えを何とか伝えようとする粘り強さもみられる」と分析しています。

先生と生徒の上下関係と受け身授業

「”粘り強さ”と英語を話す力は関係ないんじゃないか」と思わないでもないですが、個人的には、思ったよりも令和の学生は英語の基礎力があるのだと思いました。

しかし、英語の基礎力と、話す力は別です。学生が「単純で直接的な意見交換に応じることができる」A2レベルになるには、中学校や高校で、もっと積極的に意見をアウトプットできるような授業が必要だと思います。

「さあ、英語の授業のときだけは、先生にも気さくに意見を言いなさい!」と言っても説得力がありません。英語の先生は普段からファーストネームで呼び、生徒と同じ机に座るなど、上下の関係を取っ払うような環境づくりが大切なのではないでしょうか?

私の経験では、大体の中高生は、テストで能力を測る英語という教科を好ましく思っていません。文科省も、たまにしかやらないテストで学生をあらゆるジャンルにレベル分けし、全国に発表します。学生にしてみれば、「結局、英語って勉強できないとしゃべれないんでしょ?」という感じです。

そのため、先生が「テストと英語のアウトプット力は関係ありませんよ」と言い続けなければならないのです。

「できる」だから「好き」に

英語だけでなく、多くの日本人学生は、自分の意見や主張を言うアウトプット力に欠けます。先生と生徒の上下関係や、受け身になりがちな授業のせいで、自信を持って発言できないからだと思います。

平成29年度のアンケートでおよそ半数のA1レベルの学生が、英語を書いたり話したりする勉強は「好き」、もしくは「どちらかというと好き」と答えています。なんとすばらしい!

「好きだからやりたい」のに、「好きなのにできない」になってしまっては悲しいです。令和の中高生は、英語は「できるから好き」になってほしいです。

学生にもっと自信をつけて英語を好きになってもらうためには、周りの大人の助けが必要だと思います。生徒が意見交換に積極的に参加し、それを先生や親が受け入れてくれるような環境づくりがどんどんできていくといいなと願ってやみません。

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