アウトプット英語

モデレーターとファシリテーター

先日、打ち合わせのサポートをするため、通訳として鎌倉市を訪れました。

オランダ人のバートさんは、アムステルダムで活躍するプロのモデレーターです。都内のイベントでワークショップをするために来日したとのこと。滞在1週間という忙しい中、別の仕事の打ち合わせで鎌倉に来ていたのでした。

モデレーターとは、”moderate(加減する、司会する)”する人のことです。

バートさんの場合、行政と市民との間などに場の流れを作りグループとグループをまとめたり、モデレーター育成のためのワークショップをしているそうです。

モデレーターのような役割をする人を、日本ではファシリテーターと呼ぶことがあります。文字通り”facilitate(仕事などを円滑に進める)”する人で、主に社内での意見の取りまとめます。

例えば、売り上げが伸び悩んでいる会社のマーケティング部の会議を、取りまとめるファシリテーターがいます。ファシリテーターは、一方的に「社内のコミュニケーションが足りないから」などと決めつけるのではなく、下記のような客観的な見解にもとづいて会議をファシリテートします。

”ファシリテーターの基本価値
(1)確かな情報
(2)情報にもとづいた自由な選択
(3)内面的コミットメント
(4)共感 ” 
(ロジャー・シュワーツ著『ファシリテーター完全教本』より)          

「これができりゃ、なんだってうまくいくわっ!!」という価値ばかりですが、ファシリテーターの役割として注目すべき点は、(4)共感です。

”共感には、自分自身やほかの人たちに対する判断を一時的に控える心的姿勢が必要である。共感をもって行動すれば、
上記のほかの基本価値観も、みんなを理解し、感情移入し、手助けするというあなたの意図に沿ったものになる。
共感(compassion)のもともとの意味は「共に苦しむ」だが、ときどきほかの人たちに同情することと混合されている。
同情は、長い目で見ればほかの人たちのためにならない方法で、手助けしたり守ったりすることにつながる。”
(ロジャー・シュワーツ著『ファシリテーター完全教本』より)

「共に苦しむ」共感と、同情は違う!目からウロコです。

ちなみに、企業や学校のグループ授業で英語を教えるとき、講師は少なからずファシリテーターの役割をしていると思います。

特に日本人講師は、自身が苦労して語力を身につけた場合、このような価値を持って教壇に立つのではないでしょうか?学生時代英語の勉強はまるでダメだった私も、実はその一人です。

テレカンとファシリテーター

ところで、ハッチの体験授業に来られる方の多くが、共通の悩みを持っています。「会社でテレカン(テレフォン・カンファレンス)等の英語会議があるが、思うように発言できない」というものです。

ほとんどの方が、「自分のリスニング力に問題があるんじゃないでしょうか?」と言います。しかし、さまざまな国が参加するテレカンは、なまりの強い英語を話す人がいることもあるため、一概にリスニング力の問題とは言えません。

また、「日本人は、英語を話すときにミスを気にしすぎる」という意見があります。

日本において、積極性と厚かましさは紙一重。「日常会話なら適当に合わせられるが、仕事の話に的確に割り込んで話すのは厳しい!」という人も多いでしょう。

しかし、日々切磋琢磨してすでに英語力のあるビジネスピープルの場合、「ミスを気にしすぎる」というよりは、「遠回しな表現に慣れているため”率直さ”に欠ける」というほうが正しいかもしれません。

一般的に、日本文化は、”率直さ”とあまり縁がないと思います。

このような価値観の違いから、「英語で思うように発言できない!」と感じている人が多いのではないでしょうか?その場合、「英語を話すのが難しい」というよりは、「英語の文脈に乗っかって話すのが難しい」のだと思います。

まさに、このような悩みは、日本語と英語の文化の両方を知っているファシリテーターやモデレーターがいれば解決します。

参加者のみの会議は、話が一方的になりがちです。そのため、客観的に場を取りしきり、かつ、共感を持って場を取りまとめるファシリテーターが必要なのです。

ファシリテーター無し会議のために

そうは言っても、ちょっとした会議や打ち合わせに、ファシリテーターやモデレーターはいません。そんなときは、どうすればいいのでしょう?

私の経験では、「時間内に考えをまとめてアウトプットする練習」が有効です。

思ったことをそのまま英語にしようとすると、文化の違いなどから、あまりうまくいきません。短い文章を起承転結で話す練習は、速効性や即興力をつけるいい訓練になりますのでおすすめです。

真面目な方ほど「質問は答えで返すべき」と思っていますが、必ずしもそうではありません。そのような概念を払い、速効性や即興力をつけるためにも、「時間内に考えをまとめてアウトプットする練習」はとてもいいと思います。

もちろん、基本的な英語力は必要ですし、テレカンに参加するにはTOEICスコア800くらいは必要でしょう。

しかし、そのような英語力とは別の練習も、また必要なのです。短い文章で構いません。いえ、速効性や即興力のためには、短い文章をたくさんアウトプットする方がいいです。

アウトプット力をつけることは、「自分の英語力のどこを改善すればいいか分からない」という人におすすめです。英語をアウトプットする練習は、ファシリテーターやモデレーターがいなくても、テレカンで話の主導権を持つくらいの力をつけられると私は思います。

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