『難しい言語』とか『the most difficult languages in the world』とかネットで調べると、どのサイトでも必ず日本語が上位に入っています。
日本語が難しい主な理由は、ひらがな・カタカナ・漢字の使い分けの難しさ(読んだり書いたりするとき)と、丁寧語・尊敬語・謙譲語の複雑さ(話したり聞いたりするとき)によるものらしいです。
我々日本人は学歴があろうがなかろうが、常識として、無意識に相手をうやまったりおもんばかったりする言葉を使い分けています。慣れというのはすごいものです。

一方で、英語にはわびさびはありません。ネイティブから言わせれば多少あるのかもしれませんが、日常会話においてはそこまで重要ではありません。
上司も下の名前で呼ぶし、堅苦しいよりは気軽な方が、親密さが増して礼儀正しいと取られる場合もあるように思います。そこが、日本人の英語ラーナーの方達にはとっつきにくく感じるところかもしれません。

ところで、外国人向けの日本語テストで『JSST』というものがあります。これは英語スピーキングテストVERSANRTの日本テスト版のようなもので、電話で受験します。
運営会社アルクの公式サイトには、レベル4のサンプル解答の音源がのっています。(レベルは10まであります。)話が続かず沈黙したりはありますが、ここまで来れば「日常会話程度の日本語はOK」と言えるレベルだと思います。

日本語能力の中級にあたるレベルでも、結構カタコト感があります。丁寧語は使っていますが、「〜だね」というふうな言い方が混ざっていることから、周りの日本人のマネをして覚えたような日本語だと言えるかもしれません。
なのですが、「これはあんまり分かりません」と言える率直さもあります。

つまり何が言いたいのかというと、「英語スピーキングは上級者にはならなくていい」ということです。
英語でなんて言っていいのか分からなかったり知らなかったりするときに、黙ってしまったり笑ってごまかしたりするのではなく、「英語で言えるか言えないか」を率直に言えるかどうか。もしくは、「分かりません」や「もう一度言ってください」と”英語で”言えるほど率直かどうかなのだと、私は思います。
私たちに必要な能力のおそらく半分くらいは、英語能力自体ではないのかもしれません。

「礼儀正しさやわびさびにこだわる日本人だからこそ、英語スピーキングを習得するのが難しいんじゃないか?」とあらゆる場面で感じます。
大人の体に染み付いてきたものを、取り去ることはなかなか難しいですが、起承転結に沿って英文を書き、それを元に英語で話す練習をすれば率直に意見を言うことができるようになります。
英語という言語の率直さや合理性を学ぶのも、英語スピーキング習得に重要なことなんじゃないかと思っています。