形容詞を読む力が、読解の深さを変える【TOEFL文法対策】

TOEFL®テストのリーディングで、「意味はわかるのに、筆者の意図がつかめない」と感じたことはありませんか?

その原因の一つが、形容詞を「役割」として読めていないことにあります。

形容詞は単に名詞を説明するだけでなく、筆者の評価や感情文章全体のトーンを決定づける重要な要素です。つまり、形容詞をどう読むかで、文の理解度が大きく変わるのです。

この記事では、TOEFLで求められる形容詞の正しい読み方のポイントを見ていきましょう。

1.「形容詞=名詞を説明する言葉」と思っていませんか?

形容詞と聞くと、「beautiful」「difficult」「important」などが思い浮かぶと思います。
多くの学習者が「名詞を修飾する言葉」とだけ理解していますが、TOEFLではもう一歩踏み込んだ理解が必要です。

TOEFLリーディングでは、形容詞が文全体の方向性を決定しているケースが多くあります。

例文)

  • The experiment produced unexpected results.(実験は予想外の結果をもたらした。)

「unexpected(予期せぬ)」という形容詞一つで、「予期していたのか・していなかったのか」よりも「予想外だった」という筆者の感情のニュアンスが伝わります。このように、形容詞は単なる説明する言葉ではなく、筆者の意見の方向性を読み取るカギにもなるのです。

2. 形容詞の位置と意味の違い

TOEFL ITPの文法問題では、形容詞の位置を正しく理解しているかが読解の鍵となることがよくあります。

「形容詞は名詞を修飾する言葉」とだけ覚えていると、SVC構文(第2文型)を見抜けないため、副詞と見間違えてしまい点を落としがちです。

形容詞は基本的に、次の2つの位置で使われます。

  • 名詞の前
    an interesting story(おもしろい話)→ 名詞storyの性質を限定する
  • be動詞などの後
    The story is interesting.(その話はおもしろい)→ 主語The storyの状態や評価を述べる

この2つの位置を区別できると、文法問題だけでなく、読解でも筆者の評価を正確に読み取ることができます。

例文)

The students remained silent.(学生たちは黙ったままだった。)

この「remain + 形容詞」は、「〜の状態のままでいる」というSVC構文(主語+動詞+補語)です。
※もしsilentを副詞と勘違いすると、主語との関係に気づけません。

このように、形容詞は動詞と組み合わさることで、主語の状態や評価を表す重要な文法要素となります。形容詞の位置を正確に理解することは、TOEFLで安定して点を取るための第一歩なのです。

3. 形容詞が読解で果たす「評価」のサイン

TOEFLのリーディングでは、筆者のattitude(態度)やopinion(評価)を問う設問がよくあります。その時に大きな手がかりになるのも、形容詞です。

次のような形容詞が登場したら、筆者がどう感じているかを必ず判断しましょう。

  • remarkable → 賞賛
  • significant → 強調・重視
  • controversial → 賛否あり
  • unnecessary → 否定的
  • problematic → 否定的・批判的 など

例文)

  • The discovery was remarkable in many ways.(この発見は多くの点で注目に値するものだった。)
  • The new law had negative consequences.(新しい法律はマイナスの影響も及ぼした。)

remarkableは「素晴らしい・注目すべき」、negativeは「否定的な・悪影響のある」。どちらも筆者の評価を直接的に表しているのがわかります。

形容詞を読むこと=筆者の立場を読むこと
単語の意味だけでなく、文全体の方向性をつかむことが点を取る大きな鍵になります。

4. TOEFLリスニングでも形容詞がカギを握る

形容詞は、リスニング問題でも「サイン」として機能します。
特に、講義や会話での感情のトーンを判断する設問では、形容詞が決定的です。

例)

  • “That’s a fascinating observation.”(それは興味深い観察ですね。)
    → ポジティブ評価(+)
  • “It’s pretty confusing, actually.”(実際、かなり混乱させます。)
    → ネガティブ評価(ー)

このように、形容詞のトーンを正確に聞き取ると、話者の立場・感情がクリアになります。形容詞を「聞いて意味をつかむ」という練習をすることも、リスニング対策として非常に有効です。

まとめ

形容詞は、文法的にも意味的にも説明以上の役割を持つ重要なパーツです。
それは、文中で筆者の評価を伝え、文の方向性を決定づける感情を表す言葉とも言えます。

形容詞には、

  • 「位置」でニュアンスが変わる
  • 「筆者の方向性」が読める
  • 「話者の感情」が聞き取れる

という3つの特徴があります。

形容詞の意識を持つと、英語の文は驚くほど立体的に見えてきます。ぜひ英文を読むときは、形容詞がどんな評価や印象を伝えているか注目してみましょう!

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